長引く咳について
長引く咳とは
喘息・COPD(詳しくはこちら)が主な疾患ですが、喘息やCOPD以外にも咳が長引くことがあります。
その病気の種類とと症状・特徴をご覧下さい。当院では、咳に関する問診と院長による診察・検査にて診断します。
長引く咳診断の流れ
※小児では、胃食道逆流症や後鼻漏などで、ぜん鳴見られる場合も多い。
十分な検査を行い、治療による改善効果などを考慮しながら病名を診断する。
(独立行政法人環境再生保全機構より引用)
長引くせきが見られるぜん息以外の病気
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●せきぜん息
ぜん息と同様にアレルギーがある人に多い病気です。たんがほとんど出ない乾いたせきが続きますが、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」というぜん鳴や呼吸困難はありません。放置してそのままにすると、典型的なぜん息に移行する確率が高くなります。
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●心臓疾患
心臓の病気(虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症など)によって、発作性の呼吸困難が起こることがあり、「心臓ぜん息」とも呼ばれます。とくに60歳以上の患者さんに多いとされ、体を動かしすぎた日の夜に急に息苦しさが増したり、カゼなどの気道感染症、寒さなどで症状が出やすくなります。
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●後鼻漏(こうびろう)
アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などが原因で、鼻汁がのどの後ろに流れる状態。長引くせきの原因になることが少なくありません。
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●胃食道逆流症(GERD:ガード)
胃の内容物が逆流する病気です。胸やけや食道炎のほか、慢性のせきの原因にもなります。
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●百日咳、マイコプラズマ肺炎
いずれも感染症です。乾いたせきが数週間続きます。近年、成人にも増加しています。
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●アトピー咳嗽(がいそう)
アレルギー体質の人に起こります。ゼーゼーヒューヒューしたぜん鳴のない、乾いたせきが続くのが特徴です。気管支拡張薬は効果がなく、ぜん息に移行することもありません。
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●薬剤によるせき
高血圧の治療薬として使用されるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬によって、長引くせきが起こることがあります。この薬を使用していてせきが長引く場合は、医師に相談してみましょう。多くの場合、ほかの薬に変えることで、せきがおさまります。
関連リンクぜん息と似ている病気(独立行政法人環境再生保全機構より引用)
ぜん息との合併に気をつけたい病気
ぜん息と合併していると、ぜん息を悪化させてしまう病気があります。ぜん息の治療をきちんと継続しているのになかなかよくならない場合は、ほかの病気を合併していないか、きちんと調べ治療することが大切です。
COPD(COPDについて詳しくはこちらへ)
ぜん息とCOPDの合併は65歳以上の高齢者に多くみられます。高齢のぜん息患者さんの約25%にCOPDが合併しているという報告もあります。最近ではぜん息とCOPDが合併している状態を示す「ACO(エーコ)(Athma COPD Overlap)」という概念が注目されています。ぜん息とCOPDが合併していると、ぜん息が悪化する頻度が高く、QOL(生活の質)も低くなり、病気の経過(予後)も悪いことがわかっています。
副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎)
空気の通り道は気道と呼ばれ、上気道(鼻からのど、気管の入口まで)と下気道(気管、気管支、細気管支)に分けられます。鼻炎は上気道、ぜん息は下気道に起きる病気ですが、同じ気道に起こる炎症であるため、ぜん息と鼻炎は影響し合うことが知られています。ぜん息に鼻炎を合併していると、ぜん息が悪化しやすく、症状が改善しにくいとされています。逆に、鼻炎を治療することで、ぜん息の症状が改善することもわかっています。
副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎) (主な症状:)
副鼻腔炎は、副鼻腔とよばれる両目の間や額、ほほの下など、鼻のまわりにある空洞に炎症が起こり膿や分泌物がたまってしまう病気です。カゼなどの感染症にかかったとき急性の副鼻腔炎になることが多く、通常は治療により短期間でおさまりますが、長引いて慢性化することがあります。蓄膿症とも呼ばれ、ぜん息との合併も少なくありません。
嗅覚低下(食事の匂いがわからないなど)や鼻づまり、ねばりのある鼻水、頭痛、集中力の低下などが見られます。鼻水がのどにまわる「後鼻漏(こうびろう)」や、副鼻腔の粘膜にポリープ(鼻茸[はなたけ])ができることが多いのも特徴です。慢性のせきやぜん息の悪化につながるため、適切な治療を心がけましょう。
副鼻腔炎の中でもぜん息とよく合併するのが、好酸球性副鼻腔炎です。ぜん息の場合、気道に好酸球という白血球の一種が増加しますが、副鼻腔に好酸球が増え粘膜が傷害されて起こるのが好酸球性副鼻腔炎です。とくに成人ぜん息の患者さんに合併することが多く治りにくいため、副鼻腔炎の症状、とくに嗅覚低下が見られたら、早めに医師に相談し検査や治療を開始しましょう。また、この好酸球性副鼻腔炎の方の約半数が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)過敏を合併しますので、解熱鎮痛薬を使用する場合は、必ず医師や薬剤師に確認しましょう。
ぜん息との合併に気をつけたいそのほかの病気
好酸球性中耳炎 (主な症状:)
中耳に好酸球が増加することによって粘膜が傷害されて中耳炎が起こることがあります。好酸球性副鼻腔炎に引き続いて起こることが多く、適切な治療を行わないと難聴を引き起こします。
「耳がつまった感じがする」「ぜん息が悪化すると耳が聞こえにくい」という症状がある場合は、早めに医師に相談してください。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA、旧チャーグストラウス症候群) (主な症状:)
もともと重症の成人ぜん息があり、好酸球の増加とともに全身の小血管の炎症(=血管炎)が発症するまれな原因不明の疾患です。血管炎の症状として、手足の末梢のしびれと筋力低下(手足の力が入らない)が特徴です。また皮疹や腹痛、心不全や不整脈、好酸球性肺炎なども起こします。早期診断が重要なため、好酸球が多い方で、手足のしびれが出てきた場合は、早めに専門医へ相談しましょう。
合併によりぜん息を悪化させるそのほかの病気
胃食道逆流症(GERD、ガード) (主な症状:)
胃の内容物が逆流する病気です。胸やけや食道炎のほか、慢性のせきの原因にもなります。胃カメラの検査で食道炎の所見がなくてもせきの原因となることがあります。中高齢の女性に多く、ぜん息患者さんのGERD保有率は45~71%と一般より高く、合併しているとぜん息が重症化しやすいといわれています。よく胸やけする、せきがよくならない、など思い当たる場合は、胃酸を抑える薬でよくなるため、医師に相談してください。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA) (主な症状:)
空気中のカビであるアスペルギルス・フミガタスを長期に吸い込むことで発症します。アスペルギルス以外のカビも原因となることがあり、これらを総称してアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM:Allergic Bronchopulmonary Mycosis)と呼びます。
フミガタスが多い環境(換気が悪く、湿気やほこりが多い環境)で生活していると、気管支にフミガタスが多く侵入し、IgE抗体が産生され、ぜん息が悪化することが知られています。さらに一部の方は、IgG抗体も産生され、気管支や肺を徐々に破壊し、呼吸不全を引き起こします。そのため、早期発見、早期治療が重要な病気です。アスペルギルスのIgE抗体が陽性の患者さんで、ぜん息の治療を継続していても症状が悪化するなどの場合は必ず医師に相談してください。
呼吸器疾患の診察・治療の流れ
問診
初診の場合は、まずはお電話にて診察の予約をして下さい。お電話にて簡単な聞き取りをして、症状にあわせた予約時間をご案内します。
また、AI問診に現在の症状(現状以外にもアレルギーの有無や咳以外の症状など)や治療中の疾患の有無、既往歴など事前に送信いただきます。「1か月以上長引く咳」のある方に関しては、当院オリジナルの『咳問診』を行います。
咳がいつから出て、どのくらい続いているのか、咳の出るきっかけ、どのような咳なのかを詳しく聞いていきます。
診察を経て必要時には検査
当院では、咳の診断には、患者さんからの聞き取り(問診)が重要だと考えております。そのため、その問診票をもとに、患者さんの訴えをしっかり伺い、医師が診察を行います。(医師の診察前に、看護師による前問診を行う場合もあります。)
疑われる疾患を特定した後、必要な場合は確定診断のために検査を実施します。
血液検査・エックス線検査にて肺や心臓などの身体の異常がないかを確認したり、呼気・吸気の量を調べる肺機能検査(スパイロメトリー)・一酸化窒素の量を調べる呼気NO検査・呼吸抵抗を測定するモストグラフによる検査など、疾患の種類によって必要な検査を組み合わせて行います。
適切な治療法の選択
診察・検査後、患者さんの症状にあわせて投薬や指導を行います。気管支喘息・COPDが見つかった場合は、治療の中心は吸入薬を使った薬剤療法となります。
吸入薬はさまざまな種類があるため、豊富な知識と経験を元に、患者さんの症状にあわせて適切な吸入薬を選択します。その後薬の効き目や服薬の回数・日常生活における使用方法など、患者さんにより適したものとなるよう薬の種類を変更する場合もあります。
看護師による吸入指導
吸入薬が処方された場合、必ず医師または看護師による吸入指導を行います。吸入薬を使用しても、きちんと吸い込めていないと薬の効果が期待できないため、必ず患者さんにきちんと吸入薬を使えるよう指導します。この指導では、まずは吸入の練習用具(ホイッスルが仕込まれているもの)を使用し、適切な吸入が出来ているかを音で判別します。
その後、定期的に適切に吸入できているかを確認したり、治療の経過などでお困りごとや不安などないかを聞き、必要時には指導します。
定期的な通院と簡易テストによる状態の把握
喘息やCOPD等の慢性疾患治療は長期にわたります。そのため、受診のたびに簡易のテストにチエックし、処方された薬の効果が出ているかを確認します。そのことにより、コントロール状態を患者さんに自覚してもらい、継続して治療を行うことの大切さを自身で理解できるようにしています。
【Asthma Control Test (ACT)】著作権:QualityMetric Incorpotated,2002
この喘息コントロールテストは、喘息でお悩みの12才以上の方が自分自身の喘息の状態を点数で知るために 立ちます。 (グラクソ・スミスクライン(株)喘息コントロールテストより引用)
詳しくは、Zensoku.jp 喘息コントロールテストでご覧下さい。
吸入指導の必要性について
吸入指導はなぜ必要なのでしょうか?
「薬の効き目を感じない」原因は使用方法のちょっとした間違いによることも多いのです。
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薬の勝手な調整や中止。
そして慌てて吸入再開。 -
ステロイドへの不安
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薬の効き目を
感じないので心配。
ちょっとした間違い例
・吸い込む力が弱かった。
・キャップの閉め方が不完全で薬が入っていなかった。
・吸入器を寝かせたまま回したので充分な薬量を吸えてなかった。
・カウンターが0のままなのに吸い続けていた。
このように、吸入薬がなかなか続かないのは、患者さんのライフスタイルと服用法のタイミングが異なることが要因であったり、薬の飲みにくさや身体能力の低下によって、一番重要な肺の奥の炎症部まで薬が届けられずに、薬の効果を感じられない場合や人によっては吸入器との相性により効果を発揮していなかった等、原因を探ることができるのです。
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薬の飲みにくさ、
身体能力の低下。 -
ライフスタイルと服用法のタイミングが合わない。
いざ発作が出た時、どの薬をどのように使用するのか迷った事はありませんか?発作治療薬は発作時のみ使用するものだと思っていらっしゃる方が多いのですが、日常生活において、「これをすると苦しくなる」という行動の前や「発作がおこるのでは?」という発作の予感がした時に早めに使用するとより効果があるのです。
このように吸入薬について既に知っているつもりが、意外に知らないこともあるとおわかり頂けると継続的な吸入指導の必要性を感じて頂けるかもしれません。このことは科学的にも明らかな改善が見られることがデータで示されております。
吸入指導の意義
- 何故吸入を継続して行わなければならないかを、自分の病気や使用薬の知識、吸入療法の意義を知ることで治療効果が上げるため。
- 日々の吸入をストレスや戸惑いなく処方どおりに規則正しく行えるようサポートするため。
- 肺の奥の炎症部にまで効率良く薬を届けられているか、確認するため。
吸入指導プログラム
- 診察前に、毎回状態を簡単な診断テストで測る。
- 診断テストをもとに、必要な方に吸入指導を行う。
- 6ヶ月ごとを目安に継続的に吸入指導を行う。
発作が起きた時の対応
【発作の症状】
ゼーゼーヒューヒューと息するたびに音が出る、夜中や朝方に苦しくて目が覚める、食欲がない、歩くと苦しい等
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小発作(軽度)
苦しいが横になれる -
中発作(中等度)
苦しくて横になれない -
大発作(高度)
動けない・
苦しくて話もできない
救急外来を受診
直ちに医療機関を受診した方がよい場合
- 中発作(中等度)以上の症状
- 吸入B2刺激薬の吸入が1~2時間おきに必要
- 気管支拡張薬で3時間以内に症状が改善しない
- 症状が悪化
〔注意点〕
吸入B2刺激薬(SABA)は原則的に1時間以内では2吸入を3回まで。使い過ぎは危険です。
また、急用の発作治療薬は常に所持しておき、発作の時はできるだけ早く発作止め薬を使いましょう。
受診時に医師に伝えるポイント
・症状(咳・息切れ・息苦しい・ヒューヒューゼーゼー)の程度
・症状のおこる頻度
・薬に関して困っていること
来院時に喘息コントロールテスト(ACT)またはCOPDアセスメント(CAT)により毎回確認させて頂いております。
ご協力下さい。
次の症状の場合,お伝え下さい。
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日中や夜間に症状がある
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夜間や早朝、症状のために
目が覚めてしまうことがある -
走ったり体を動かした時に症状
がでて日常生活に支障がある(家事・仕事に支障をきたす)
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発作治療薬を使用した
使用したのはいつどんな時、何回?
